2010/01/21 00:51:11
アイヌ文化 14
先住民族は、その土地に古くから原住していながら、今日の国家、
社会の中で支配・圧迫を受け不利な立場におかれているという境遇
において共通性を有しています。
近代・現代における世界の激しい動きを振り返るならば、どんな
地域のどんな民族も旧来の主要な生業や生活、それらを基礎とし
た「伝統的」文化になんの変容もないということはありえないと言え
るでしょう。
しかし、ある民族が自ら志向し選択したのではない変わり方を他から
一方的に強いられ、その状態が長い間是正されなかったために、
おおきな喪失感や不信感、否定的影響などが幾世代にもわたって
継続するという減少は、残念ながら世界各地で見受けられることです。
アイヌの人たちの場合も、民族としての集団的な権利が保証されず自主的で
多様な発展の可能性が制限された状態が長く続いてきました。
国連では、世界の先住民族が失った権利をどのようにして回復するかについて、
長年、検討が進められてきました。
そして、平成19(2007)年9月、国連総会において「先住民族の権利に
関する国際連合宣言」が採択されました。
この宣言には民族の自決権や土地・資源の権利、知的財産権など、
各国が達成すべき基準が明記されています。
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