2010/07/06 00:10:55
川内康範 3
日本的ヒーローの創造者
『月光仮面』を筆頭に川内三部作とも呼ばれる『レインホーマン』『ダイヤモンド・アイ』『コンドールマン』等、日本の特撮ヒーローの草創期に活躍した。
『月光仮面』のキャッチフレーズは「憎むな、殺すな、赦しましょう」であるが、これには康範が仏寺に生まれ育ったことが影響していると自から語っている。
昭和30年代のテレビ番組は外国製人気番組の全盛時代であり、貴重な外貨を費やす外国製番組に替えて国産番組を増やしていくことは時代の要請でもあったが、この依頼に対して日本独自のヒーロー番組を作り上げる上で、コンセプトは仏教で言う『借無上道』-無償の愛こそがこの世で最も尊いという康範の考えであった。
ゆえに、月光仮面は善悪区別なく誰にでも降り注ぐ月光を象徴した月光菩薩をモデルとして創造され、また絶対的な力を持つ超人=神仏(如来)ではなくその代行者に過ぎず、悪を懲らし善人を助けるが、裁きはしないという性格を与えられた。『借無上道』の精神は康範の手がけるヒーローすべてに共通するテーマとなっている。
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