2012/12/07 05:47:31
国道229号 19 せたな町
島牧村の海岸国道229号を走り抜けて茂津多(もった)トンネル
を出ると瀬棚町である。
狩場山を中心とした山岳地帯で、これが日本海に落ち込むところ
に茂津多岬がある。
茂津多トンネルを抜けるまでが「雷電国道」、その先は「檜山国道」
と呼ばれる。せたな町は平坦部が少なく、海岸に近づくにしたがって
起伏する段丘となり、大半が草地地帯。
また、総延長約77.6km の海岸線は変化に富んだ奇岩、絶壁が多く、
狩場茂津多道立自然公園に指定された景勝地である。
道南の函館市までは約120km、札幌市までは約200kmの距離にある。
この町も江戸時代から鰊で栄えたところで「セタナイ場所・スッキ場所」
と呼ばれていた。
瀬棚港は明治中期から、函館から小樽航路の寄港地、農・水産の
集積基地として栄え、戦後埠頭も完成し、現在では奥尻へフェリーも
運航している。
また、この瀬棚には鉄道があったことを知る人は少ないだろう。
昭和7年に国縫~瀬棚間が開通し、昭和22年ころまで木材の出荷で
にぎわう。昭和62年幕を閉じた。
瀬棚といえば萩野吟子である。
明治27年日本で最初の女医となった萩野吟子が移住し、産科・小児科
萩野医院を開業した町である。
渡辺淳一伝記的小説『花埋み』で、NHKテレビ「風雪」などで紹介された。
この瀬棚郷土資料館は一見の価値がある。
別な機会に開拓移民を紹介したいが、明治3年に須築に旧会津藩士高橋新衛門他12戸が、翌年には斗南藩士が、明治25年には福島県丹羽団体が入植している。
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