2009/12/10 00:16:39
開始された緑化事業は、やはりえりも岬の強風によって困難を呈しました。
緑化の第一歩は、砂漠化した大地に草をはやすことです(草本緑化)。
しかし、草花の種をまいても強風に飛ばされ発芽しません。
せっかく発芽しても根付く前に飛ばされてしまいます。
何年もの試行錯誤の結果、海岸に打ちあがっている雑海藻を種をまいた
上に覆い、種が飛ぶのを防ぐことに成功しました。
また、この雑海藻は発芽後の良い肥料ともなり、緑化が一歩前進しました。
しかし、草本緑化後に行う木本緑化でも、植樹した苗木がなかなか育たず、
何年もの試行錯誤の結果、北海道には自生していないクロマツが適していることが分かりました。
また、植樹した苗木を囲む防風柵も、他の地域で使用するときよりも狭い間隔で立てることで強風をしのげることがわかりました。
このような様々な試行錯誤を経て、50年近く経った現在、クロマツの林は、中に入ればそこが「道路脇の植林された林」であることを忘れさせてくれるほど、豊かに成長してきました。
植林の成果が上がるとともに、海には回遊魚が戻ってくるようになり、コンブなどの海藻類も採れるようになりました。
今後は、クロマツ以外の元々この土地に生えていた種類の木々を植え、植林前の豊かな植生へと戻していくことが課題となっています。
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