2010/11/09 00:46:09
北海道の最北から道東の知床半島にかけて、雄大な弧をえがくオホーツク海岸。
北海道の地名のほとんどがアイヌ語に由来しているが、
たとえばサッポロやオタルなどとくらべても、オホーツクという呼び名にはいまだに
どこか異様な、日本ばなれした響きがある。
1991年の9月と翌年の1月の2回、司馬遼太郎は北海道のオホーツク海沿岸を訪れた。
そこで、著者が目で見たもの、耳で聞いたもの、足裏で踏みしめたものを手がかりに、
はるかな時空へと想像力の翼をひろげたのが、
この「街道をゆく」シリーズの「オホーツク街道」である。
文庫本であれば2センチたらずの厚みに、縄文文化から続縄文文化、
アイヌ文化にいたるまでの1万年にもおよぶ歴史と思索の地層が堆積している。
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