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十勝国(とかちのくに) 14 
 帯広(オベリベリ) 


 十勝は現在19の市町村で区割りされている。
一市16町2村で中心地が帯広市である。
帯広市は、官主導の屯田兵や旧幕府家臣による開拓で
はなく、静岡県(南伊豆)出身の依田勉三率いる晩成社一行が、
明治16年に入植したのが始まりだった。
依田勉三が開拓者として最初に申請をだした土地が帯広(オベリベリ)
であったところに運命を感じる。

 依田(よだ)家は、織田信長に敗れた武田勝頼の重臣で、一族は
伊豆に逃れて帰農し、明治のころには南伊豆で大事業家となっていた。
帰農した旧大沢村(現松崎町)は、西伊豆の土肥から車で石廊崎に向
かって30分くらいの所にある。 
 依田勉三が裕福な豪族の三男に生まれたのにも係わらず、何故北
海道に開拓者として挑んだのかを様々な人が書かれているが憶測で
しかない。
 しかし、73歳で亡くなる生涯を通してみると彼の一貫した思想が見えてくる。

 まず晩成社の社名がそれを表している。
晩成とは「大器晩成」からとったものである。
北海道開拓の事業は、目先の生活のための事業ではないということである。
その覚悟は、生涯を通してあらゆる場面でみることができる。

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2008年8月7日。 日本の一番東にある根室から出発します!
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