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赤心社 5
 
 赤心社は巨額の資金を必要とする北海道開拓事業を、政府の援助を得ず自力
で遂行するために、多数の零細株による資本造成を着想し、労働株主制度をも組み込んだ。
更に赤心社は資本の原始蓄積期に耕工夫という労働者を採用し、
労働力の質に対応した三種類の労働力を組織化し、会社の利潤獲得の
最大化を志向したのである。
元三田藩士鈴木清・澤茂吉・和久山磐尾など幹部旧武士層は、
前代の『献身価値』を対象転化により『業績価値』へと自らを変化させ、
個人の主体的参加による契約共同体として赤心社を形成した。
平等の権利・義務を持つ個人の集合体であり、封建的身分差の撤廃が志向された。
封建的身分株序に規定される一切の生活様式の解放がなければ、近代的組織目標
が達成され得ないからである。
赤心社指導層はプロテスタントのなかでもピューリタンと呼ばれる組合派に属している。
神の聖旨実現の道具として、自己の救済財獲得にむけて現実的成果を目標とする。
此岸における自己の聖化という目標達成は社業の成功であり、それはまた国富の増進にも連繋する。
ピューリタンは理念と現実の緊張関係のただ中に身を置いて、
絶えざる自己審査により自己の救済を確認してゆかねばならない。
赤心社においてはプロテスタント的自己審査法を用いて業績主義を内面化させ、
企業的農業経営という近代的組織の解体を制御しうる程度にまで、その内在化に成功したといえる。
 
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2008年8月7日。 日本の一番東にある根室から出発します!
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上家二三夫
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