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アイヌ民族の蜂起 11
 マキリ(小刀)
 1456年の春のことだった。
函館の東、今の函館飛行場のあたりに流れる志海苔川では
良質な砂鉄が取れるので鍛冶屋村ができていた。
アイヌたちは、鉄を作る技術はなかったので和人が作る鉄製品
は交易の品として高級品であった。

 
 この鍛冶屋村に一人のアイヌ青年がやってきた。
冬眠から覚めた熊を初めて一人で仕留めたということで、コタンの
長老からマキリ(小刀)を持つことを許されたという。
一軒の鍛冶屋に入りマキリを注文し、代金として熊肉を置いて行った。
それから暫く経った日、もうできたころと思いマキリを受け取りに来た。
値段のことで言い争いが始まった。



     アイヌ青年 「それは高いよ」
     鍛冶屋 「こんな熊肉で、安すぎる」
     アイヌ青年 「それじゃ、話が違う」
     鍛冶屋 「俺が作る上出来なマキリは、熊肉程度では足りない」
     アイヌ青年 「お前のこんな粗末なマキリでは、俺の腹も刺せまい」
     鍛冶屋 「なに!それでは、試してやろうじゃないか」

 
 この時には、すでに騒ぎを聞きつけて群集ができていた。
青年は刺し殺され、それを和人とアイヌが見ていた。
これが、アイヌ民族蜂起の発端であった。
しかし、実際に蜂起するのは一年後である。
この事件の落とし前にあたって、アイヌの長老は我慢に我慢を重ねて和人と交渉する。
安東一族が、道南一帯に館を構えてアイヌたちの生活を圧迫していたことが背景にあった。
 
 
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2008年8月7日。 日本の一番東にある根室から出発します!
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